東京五輪での日本の活躍により、スケートボードが一層の人気を獲得。新型コロナの影響で外に出ることが少なくなった現在、スケートボードは手軽に楽しめるアクティビティとして注目されています。スケボーを始めたいと思っている方や、自分の板を持ちたいと考えている方に向け、選ぶ際のポイントと推薦ブランドを紹介します。このガイドを元に、あなたにぴったりのスケートボードを見つけてください!
スケートボードの主なバリエーション
スケートボードには、3つの主要なカテゴリーが存在します。
よく知られている「ショートボード」、デッキの長さが特徴の「ロングボード」、そして多様な環境での滑走に適した「クルーザーボード」がそれです。
それぞれのボードの独自の特性を詳しく見ていきましょう。
ショートボード
「スケートボード」や「スケボー」と言えば、多くの人が最初に思い浮かべるのがショートボードです。
このショートボードは、スケートボードの中で最もポピュラーであり、一般的に「スケートボード」と言うとこのタイプを指すことが多いです。
オリンピックなどでの競技でも使われるこのボードは、ストリートやパークでトリックを楽しみたい人にピッタリです。
ロングボード
ロングボードは、ショートボードよりもサイズが長く大きなスケートボードです。
単に長さがあるため、空中に跳ねたり、パークでの遊びといったショートボード特有のアクションは得意ではありません。しかし、その長さが提供する安定性はダウンヒルのような坂を滑るのに適しています。サーフィンのオフシーズントレーニングやスノーボードのターン技術の練習にも利用されるため、サーファーやスノーボーダーからも支持を受けています。
クルーザーボード
クルーザーボードとは、簡単に説明すると街乗り用のスケートボードです。
見た目はショートボードと似ているものもありますが、パーツの種類や大きさが異なるので、ショートボードのような使用方法には向いていません。最大の違いはウィール(タイヤ)で、クルーザーボードの場合ショートボードと比べて大きく、柔らかいウィールを使用します。
大きくて柔らかいウィールを使用することで、スピードが出やすい、路面が悪くても進みやすい、音が静かなどのメリットがあります。移動手段として使用する方におすすめです。
目的に応じて適切なスケートボードを選択しよう
スケートボードの基本的なカテゴリーを紹介しましたが、それぞれのボードの特性を理解し、自分の求める活動と合わせて選択することが大切です。
YouTubeやDVDで見るようなトリックを目指すならショートボード、ダウンヒルやサーフィン、スノーボードのオフシーズントレーニングにはロングボード、そして都市部の移動にはクルーザーボードがおすすめです。
ストリートライド
ストリートライドとは、もともとは都市の斜面、縁石、手すり、階段などを使ってのスケートスタイルを指しますが、近年ではスケートパーク内にもこのようなストリート風のエリアが取り入れられています。
オーリーでの障害物越えや、縁石や手すりを滑るスライドやグラインドのトリックが主な特徴となっています。
パークライド
パークライドとは、ボウルやランプ(スノーボードでのハーフパイプに似ている)が特徴の場所で、滑走技術やスタイル、ジャンプなどを実践するスタイルを指します。
ストリートが都市部での滑走に対して、パークはスケートボード専用の整備されたスペースでの滑走を楽しむものです。
初心者はショートボードを選ぶとよい
初めての方には、一般的で人気のあるショートボードを推奨します。
人気があるため、部品を見つけやすく、取り扱いのある店も多いです。また、多くの人が所有しているため、部品の情報や乗り方、練習方法などの情報を共有しやすく、コミュニケーションが取りやすくなります。これが継続の鍵となります。
すべてのスケートボードに共通の基本技術や知識、例えばスタンスやプッシュ、ターン、ブレーキなどがあり、これを知る人が周りに多いのは大きな利点です。
スポーツ全般で言えることですが、最初は基本から始めることが大切です。基本をおろそかにして複雑なトリックに挑むと、ケガをするリスクが高まり、結果として上達も遅れる可能性があります。基本技術の習得は重要です。
スケートボードを初めて選ぶ際のポイントは?
スケートボードがなければ始めることはできません。これからはスケートボードを選ぶときの考慮点や、各部品の詳細を説明していきます。
コンプリートセット(完成品)
コンプリートセットとは、デッキやトラック、ウィールなどの部品が揃って組み上げられた既製のスケートボードです。即座に乗れる点が魅力です。
しかし、スキルが向上すると、パーツを自分好みに変更したくなることがあり、それが結果としてコストがかさむ原因となることが考えられます。
低価格の完成品の場合、耐久性が低かったり、部品の交換が難しいことがあるので注意が必要です。
カリフォルニアストリートでは、初心者から上級者まで満足できる品質の完成品スケートボードを取り扱っています。これは有名ブランドと同じ製造ラインで生産された部品を使用して組み立てられています。
好みのパーツでセットアップ
ストリートのトリックや、パークとボウルでのグラインドなど、具体的な目的がある場合、自分の望みに応じて適切な部品を選び、自分で組み立てることが可能です。
予算に応じて、目的に合わせて部品を初めから選ぶことは、スキルの向上を早めるだけでなく、部品に関する知識も増やすことができます。
しかし、初めての方が直接部品を選ぶのは少し難しく、友人やショップのスタッフからのアドバイスを求めることが良いでしょう。
無名ブランドはやめておこう
前に触れましたが、特に完成品として、安い価格でブランドのないスケートボードが市場に出ています。できれば、評価の高いブランドの商品を選ぶことをおすすめします。
パフォーマンスが期待通りでない、壊れやすい、自分の目的に合わない、などの問題で後から買い直す必要が出てくることも考えられます。
「あのスケーターの動きが素晴らしい!自分も試したい!」といった動機は問題ありません。スケートボードを選ぶ目的を明確にすることで、誤った商品を選ぶリスクを減らすことができます。
パーツの選択方法
以下では、各パーツの特徴やどう選ぶべきか、そして留意すべき点を詳しくご紹介します。スケートボードの目的が明確になったら、その目的に応じて適切な商品を選んでください!
デッキの選び方
スケートボードの板部分はDECK(デッキ)と称されます。デッキの横幅はインチで示され、この数値によって幅が異なります。
細めのデッキは軽いため、オーリーや空中での板の回転、フリップ系のトリックに適しています。しかし、太めのデッキと比較して、走行中の安定感は少ないです。
太めのデッキはその分重く、細いデッキで得意な繊細なトリックには不向きですが、滑行の際の安定感が増します。これは、ランプやボウルでの滑行に特に適しています。
デッキの選び方のポイントは、自分がスケートボードで成し遂げたいことを基にサイズを選ぶことです。目的に応じて適切なデッキのサイズを選ばないと、滑るのが難しくなり、上達のスピードも遅くなってしまうことがあります。
デッキの幅と特性
~7.375インチ
子ども向け。
7.5~7.875インチ
スリムサイズ。女性にも適しています。
8.0~8.25インチ
汎用中間サイズ。ストリートからパークまで様々な場所でのスケートに適していて、8.0は特に推奨されます。
8.375インチ以上
幅広いサイズで、滑る際の安定性が高い。特にランプやボウル向き。
上記の一覧を見て、自分のニーズに合わせたデッキを選んでください。
迷ったときの参考として、
・主にトリックを楽しみたい → 8.125インチ以下
・ランプやボウルを中心に滑りたい → 8.25インチ以上
といったサイズ感が一般的です。分からないことがあるなら、先輩スケーターや、お近くのスケートボードショップに聞きましょう。
サイズが合っているなら好きなデザインでOK
デッキのサイズの選び方を解説しましたが、同じサイズにも関わらず、多種多様なブランドやデッキの裏に描かれるグラフィックが存在します。
選ぶ際に迷うかもしれませんが、サイズが決まったら、実は好みのデザインを選ぶだけで大丈夫!気に入ったデザインのデッキを使うことで、スケートに対する情熱や意欲も増します。たくさんのデッキの中から、あなたのお気に入りの一つを見つけてください!
トラックの選び方
トラックは、デッキとウィールを結びつける金属製の部品となります。
各ブランドによって、車高に「ハイ」や「ロー」という2つのバリエーションが存在します。
この車高の差異は以下の表で示されています。
HIGHタイプのトラック:
・高い車高のため、大径のウィールも取り付け可能
・高さがあり、反発を上手く活用することで、高めのオーリーが可能
・トラックの動きが広いので、素早いターンが実現可能
LOWタイプのトラック:
・低い車高で安定感のある滑りを楽しめる
・スピーディなオーリーに適している
・HIGHよりもターンのレスポンスはやや劣るが、トラックの動きが限定されているため、より安定した走行が得られる
初心者の方にはトラックの選択が大きく影響するわけではないので、どちらでも問題ありません。しかし、スケートの目的が明確な場合は、その目的に応じて選びましょう。
もし選ぶのが難しい場合、安定感を重視するならLOWを推奨します。ただ、トラックのサイズはデッキのサイズに合わせる必要があります。サイズが大き過ぎると、ウィールが足に接触して転倒の原因となり、短すぎると軽い体の動きで方向が変わり、滑りが難しくなることがあるので注意が必要です。
ウィールの選び方
ウィールは、スケートボードのトラックに取り付けるタイヤを指します。それぞれ異なる大きさや硬さを持ち、独自の特性があります。
ウィールの大きさとその影響
ウィールの大きさは、滑走する際の速度に影響します。大きめのウィールは速く滑ることができ、小さめのウィールはデッキを回転させるトリックが実行しやすくなります。
各サイズにおける主要な特性は以下の通りです。
ウィールの直径とその特色
50~54mm
主にストリートでの使用に適しており、バランスが取りやすい。特に52mmや53mmは非常に人気が高い。
55~60mm
ランプやボウルでの滑走に適しています。サイズが大きいほど速度が上がり、快適に滑れますが、ウィールの重さも増加します。
60mm以上
非常に大きいサイズで、高速での滑走が可能です。
このサイズを使用する場合、ウィールを取り付けるときに車高を上げるための追加パーツ(ライザーパッド)が要ります。
簡単に言うと、ストリートのトリック用には53mm前後、パーク用には55mm前後が最適です。60mm以上の大きなサイズは、通常のショートボードよりもクルーザー向けです。
サイズが大きすぎると、デッキとウィールが触れ合い、止まる「ウィールバイト」という問題が起こることがあり、それはとても危険です。大きなサイズを選ぶ場合、車高を上げるためのライザーパッドを使うことをおすすめします。
ウィールの硬さとその特徴
ウィールには硬さの差が存在します。
一般的には「数字+A」のような形式、例えば78Aや99Aというように表示されますが、ブランドによっては異なる場合もあります。例えば、SPITFIREの”D”は”A”と同じ意味で使われます。このAの前の数字がウィールの硬さを示し、数字が大きいほど硬さが増します。
硬いウィールは路面の状態に敏感ですが、トリックが行いやすくなります。一方、柔らかいウィールは路面の状態に左右されにくく、荒れた道でも安定して滑ることができます。
具体的な特徴は以下の通りです。
ウィールの硬度と詳細
78A~80A
非常に柔らかい。クルーズスケートなどに適しています。
97~99A
ストリート用の一般的な硬さ。
アスファルトでも滑りやすく、適度なグリップ力でトリックも実行しやすい。
100A以上
より硬質なウィール。
良質な路面でのスピードアップが可能。整然とした場所、例えばコンクリートのスケートパークでの使用に最適。
ウィール選びも、自分の目的が明確であれば、それに応じて選ぶと良いでしょう。
都市部でもスケートパークでも幅広く使用したい方は、過度に硬くも柔らかくもない99Aを選択すると、扱いやすいと感じるでしょう。
ベアリングの選び方
ベアリングは、スケートボードの速度を決定する中心的な部品としてウィールに取り付けられます。その性能を示す「ABEC」という基準が存在し、これはアメリカの精密度のランクを意味します。スケートボード用のベアリングでは、主にABEC 3~9が使用され、数字が大きいほど回転の精度や速度の安定性が向上します。価格が高いものは、回転や安定性、持続性が一般的に良好ですが、すべてのブランドがABEC基準を表示しているわけではありません。
また、ベアリングの潤滑にはグリースタイプとオイルタイプがあります。簡単に言うと、グリースは粘り気が強く、オイルよりも早くスピードが出ることは少ないものの、特別な手入れは不要です。オイルタイプは高速での滑走が可能ですが、時々オイルを足す必要があります。ただし、オイルは過度に使用するとスピードダウンの原因となるため、2〜3滴を目安にこまめに管理することを推奨します。
ベアリングの質が高いと、一回の蹴りでスケートボードがより遠くまで進むことができ、足の位置を調整する際の余地も増えます。そのため、初心者の方にも高品質なベアリングの使用を推奨します。