冬のスポーツの中で特に注目されるスノーボード。多くの国では、安全を重視し、スノボ時にヘルメットを着用する人が8割以上と言われています。日本でもその意識は高まってきているものの、まだ普及途中と言えます。安心してスノーボードを楽しむためには、適切なヘルメットの着用が不可欠です。
以下で、ヘルメットの必要性、選び方のアドバイス、そして正確な装着方法を解説いたします。
スノーボードにはヘルメットは欠かせない？
スノーボードは、バランスを失って転倒したり、リフトの柱や木、他のユーザーとの衝突など、頭部を傷つけるリスクが伴うスポーツです。どれだけの経験があっても、事故は避けられない場面もあり、ヘルメットは頭部の安全確保に不可欠です。
初心者はもちろん、中級者や上級者もヘルメットの着用は欠かせません。特に初心者は予測できない動きをすることが多いので、頭部の怪我を避けるための対策が必要です。
ヘルメットの利点はただ頭部を保護するだけでなく、寒さや風から守る、ゴーグルとの統一感を高める、アクションカメラを取り付けての撮影など、さまざまなメリットが考えられます。
そのため、スノーボードをする際の安全と快適性を向上させるためには、ヘルメットは絶対に欠かせない装備と言えます。
スノーボードヘルメットの選定方法
スノーボードを楽しむ際、頭部に合ったフィット感のあるヘルメットの選び方は非常に重要です。初めての方や、まだヘルメットを購入していない経験者の方も不安に思うかもしれませんね。
こちらでは、スノーボード用ヘルメットの選定のポイントを説明しますので、初めての方やヘルメットを持っていない方も、ぜひ参照してください。
ヘルメットの適切なサイズ選び
スノーボードヘルメットを選ぶとき、頭部との適切なフィット感は最も重要です。サイズが大きすぎるヘルメットでは、しっかりとした保護は期待できません。
適正なサイズのヘルメットを選ぶために、ヘルメットメーカーのサイズガイドや商品のサイズ情報をチェックしましょう。インナーキャップや冬用の帽子の上からでも被れるサイズを考慮して、少し大きめのヘルメットを選ぶのも一考です。サイズが明確でない場合、調整機能が付いているヘルメットがおすすめです。
さらに、ヘルメットの重量も考慮すべきです。重すぎると疲れるだけでなく、怪我のリスクも上がります。350g程度を基準に、軽量で快適なものを選びましょう。
ヘルメットのシェルの硬度と種類
ヘルメットの保護性能を確保するため、その硬さは欠かせない要素です。ヘルメットの外部の硬い部分は「シェル」と称され、このシェルには主に「インモールド構造」と「ハードシェル構造」の2つの型が存在します。
【インモールド構造】
この構造では、シェルの中に緩衝材が組み込まれています。そのため、軽さと薄さが特徴。しかし、ハードシェルよりも耐久性が低く、破損しやすい側面も。高度なトリックをこなす上級者に適しています。
【ハードシェル構造】
シェルと緩衝材が分離しているタイプ。堅固であり、耐久性や衝撃への耐性が高い。インモールドに比べるとやや重めですが、耐久性に優れているため、初心者には特に適しています。
加えて、インモールドとハードシェルの特色を合わせた「ハイブリッド構造」というヘルメットも存在します。それぞれに一長一短があるので、自分のスキルやスタイルに合わせて、適切なシェルの種類を選ぶことが重要です。
ヘルメットの安全規格の確認
ヘルメット選びの際、安全性を示す規格が満たされているかを確かめることが重要です。例えば、国際的な基準である「ASTM」やヨーロッパの「CEマーク」などの認証を持っているものは安全性が高いと評価されます。これらの認証マークは、製品内部や公式ウェブサイトで確認可能です。
デザインと機能性
多くの人はヘルメットがスタイリッシュでないと感じるかもしれませんが、ウェアやゴーグルと合わせたデザインのものを選べば、流行に乗ったコーディネートが可能です。さらに、デザインだけでなく、通気性や取り外し可能なイヤーパッドといった特徴も考慮すると、より使いやすいヘルメットを選べます。
メーカーによる選択
ウィンタースポーツ専用のヘルメットは多くのメーカーから提供されています。ウェアやボードと同じブランドを選ぶ方法や、お気に入りのメーカーのものを選ぶのも一つの方法です。ゴーグルとヘルメットを同じブランドで揃えることで、適切なフィット感を得やすく、ゴーグルの曇りも減少します。しかしながら、西洋の顔立ちに合わせてデザインされた海外ブランドのヘルメットは、日本人には合わないことがあるため、国産のものやアジアンフィットとして設計されたものを選ぶのが賢明です。
正確なヘルメットの装着方法
ヘルメットを持っていても、適切に装着しなければ、その効果は半減してしまいます。適正な装着方法を理解しましょう。
ヘルメットを被るときは、ストラップをきちんと固定し、頭部やゴーグルとヘルメットの間に空間が生じないように注意が必要です。ゴーグルのストラップはヘルメットの上側に通して装着することが大切です。ヘルメットの内側にストラップを回すと、頭部とヘルメットの間にスペースができてしまう可能性があります。
さらに、ゴーグルを安定させるために、ヘルメットの後部に設置されたストラップホルダーやゴーグルクリップを使用することを推奨します。
ヘルメットでスノーボードをもっと安全に
スノーボードは速度を上げて滑走する醍醐味がある一方、転倒のリスクを完全に避けることは難しいです。経験者であっても、突然の転倒や他の滑走者との接触による怪我の危険性が常にあります。ヘルメットを装着すれば、頭部への直接的なダメージを大幅に軽減できます。また、冷気や風から守る効果もあるので、滑走の際の快適性も向上します。
それにもかかわらず、日本のスノーボードヘルメットの使用率は低いのが現状です。安全で楽しいスノーボード体験のためには、ヘルメットの使用を強く推奨します。
