秘密にされていた中国の室内ハーフパイプ

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山梨の笛吹市にある「カムイみさか」をはじめ、屋内ハーフパイプはかつて日本が誇る独自の文化でした。90年代後半、茨城の龍ケ崎市に「カムイ竜ヶ崎」、東京・板橋区に「クールバル東京」という名のハーフパイプスポットがあり、私もよく訪れていました。しかし、時代とともにこれらの場所は姿を消してしまいました。

さらに、愛媛の東温市にあった「アクロス重信」の屋内ハーフパイプは、数多くのオリンピック選手を生み出した名所。しかし、2012年にはその幕を閉じました。そして、岐阜の羽島市に約23年間存在した「スノーヴァ羽島」も昨年11月にその歴史を終えました。かつて全国各地に輝いていた室内ゲレンデも、次第に数を減らしているのが現状です。

日本は「ららぽーとスキードームSSAWS(千葉・船橋市)」を筆頭に、室内ゲレンデの先駆者として名を馳せていました。しかし、経済の変遷とともに、その旗手の役割は変化しました。中国・河北省張家口市崇礼区には、世界初の国際大会規格の屋内スーパーパイプが存在。その中心人物、元中国ナショナルチームのコーチ、リ・ウェイ氏によれば、「この施設は国内でもあまり知られておらず、秘密裏に管理されているようです。中国代表のハーフパイプ選手たちによると、この施設は選ばれた選手だけが利用できる特別な場所とのこと」と話していました。

この秘密の施設が一般にも開放されるという情報が、スペインのスノースポーツ専門サイト「nevasport.com」から飛び込んできました。記事によると、この施設はオリンピックサイズのハーフパイプを有し、年間を通じてのトレーニングが可能。当初は北京五輪の中国チームのためのトレーニング施設として建設されたものの、今では他国のナショナルチームも使用しているそうです。

夏の暑さが30℃を越えるこの場所で、効果的な断熱材が用いられています。また、イタリアのテクノアルピン社提供の先進的な人工降雪技術も導入されており、雪解け水の回収により、エネルギーロスを最小限に保ちつつ、高いエネルギー効率を持つプロジェクトに仕上げられています。

MOUNTAINPOOLのSNSによれば、ハーフパイプの造成は2021年11月に開始。そして2022年2月3日、北京五輪直前には、後にビッグエアで金、スロープスタイルで銀の栄誉を手にするシャオミン、またの名をスー・イーミンのライディングの様子が投稿されています。

今後、4年後のミラノ・コルティナ五輪に向け、このハーフパイプシーンがどのように進化していくのか、目が離せませんね。

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