1993年、Fall Line Films（FLF）が世に送り出した伝説のビデオ『ROADKILL』は、歴史を知るスノーボーダーにはお馴染みだろう。しかし、この作品の影響力とその革命性を若い世代にも知ってほしい。この映像が現代のスノーボード文化の基盤を築いたと言っても過言ではない。
この映像の登場により、多くのスノーボーダーが心を奪われた。特に、日本での20歳前後の若者たちがこの映像に取り組んだことで、スノーボードは急速に普及した。その時代、スノーボードのパークはまだ成熟しておらず、バックカントリーのようなフィールドは少なかった。そのため、ゲレンデの地形を最大限に活用したフリースタイルが主流となった。このスタイルが注目を浴びることは、現代のスノーボード文化と繋がっていると感じられる。
現代のスノーボーダーが直面するのは、滑走日数の制限や、巨大なパークでの技のマスタリングの困難さだ。そのため、自然地形でのフリーライディングが注目を集めている。こうした背景から、『ROADKILL』の内容が再び現代にマッチしていると言える。
このビデオの内容を簡単に紹介すると、1976年のキャデラックリムジンを駆りながら、アメリカの名だたるスノースポットを旅する様子が収められている。主役として、ブライアン・イグチやテリエ・ハーカンセン、さらにはジェイミー・リンなどのレジェンドたちが登場する。
ジョン・カーディエルのスケートボードシーンや、ストリートダンス、ウェイクボードのシーンも組み込まれており、その時代のライフスタイルが魅力的に描かれている。1990年代初頭のストリート文化を反映したファッションやライディングスタイルが、今も変わらずに注目されているのは、まさにリバイバルの証左だ。
この『ROADKILL』を通じて、その時代の魅力や情熱を再確認してほしい。この名作を見逃さないように。
